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「万華鏡」と「カレイドスコープ」



日本人の多くが知っている万華鏡は、懐かしさとともに思い出す子どもの頃のおもちゃの万華鏡でしょうか。千代紙を筒に巻いたお土産物の万華鏡でしょうか?
「万華鏡」という言葉は、"万の華を映し出す鏡" 詩的で、的確なネーミングです。
そのように日本の文化に組み込まれてきた背景から、万華鏡が生み出されたのは日本だと考える人もいます。でも最初に万華鏡を発明した人はスコットランドの光学の研究者、デイヴィッド・ブリュースター卿です。
今から200年ほど前の1816年のこと、灯台の光を遠くまで届けるレンズの研究や偏光の研究などの業績を重ね、学者として高い評価を得ていたブリュースター卿が、研究の過程で、ミラーの反射によって生まれる美しいシンメトリーに気づき考案したもので、彼が科学機器の会社に制作を依頼しました。
「カレイドスコープ」というのは、発明者ブリュースター卿がこの機器を名付けた名前です。
ギリシャ語のKalos、Eidos、Scopio(美しいものを見る)からKaleidoscopeという造語が生まれました。
彼は万華鏡の美しい模様が装飾デザインに役立つ道具になると考えましたが、その思惑とは別に万華鏡の面白さ、きれいさは多くの人の心をとらえ、その時代の人々に楽しまれたようです。
「偉大なる哲学的なおもちゃ」として知られたカレイドスコープは、科学とアートが一体となっているところに、その時代の精神が呼応して、大きな反響を呼んだようです。
そして、遠く日本までもその道具は伝わり、いつしか万華鏡という名前で親しまれるようになっていました。子どものおもちゃとしての万華鏡が定着していったのです。






mary デイヴィッド・ブリュースター卿

mary 科学とアートが融合した、現代アートのカレイドスコープ


現代の万華鏡、カレイドスコープとは?



「カレイドスコープ」が現代のアートとして生まれ変わったのは1970年代のアメリカでした。その頃、ブリュースター卿の時代の万華鏡は、アンティークな機器としてオークションなどで取引されていましたが、それを現代の素材・技術で新たに作ってみようと思った人がいたのです。科学機器としてではなく、アートやクラフトの分野で、魅力的な作品を作り始める人が出てきました。そこに一人重要な役目を果たした女性が現れました。
まだインターネットなどの普及もなく、情報の発信、伝達も簡単でなかったその頃、万華鏡に興味を持ち、作家や販売店、コレクターを探し歩き、話を聞き、記録した人がいました。発明したブリュースター卿以来、世界で初めての万華鏡についての本を書いたコージー・ベーカーさんです。
ベーカーさんは、生まれ変わった万華鏡の新しい時代を「カレイドスコープ・ルネッサンス」と呼び、1985年、世界で初めて万華鏡展を企画し、驚きに満ちた作品の数々は、多くの注目を浴びました。アートとしての万華鏡が認知され始めた時でした。
そのような万華鏡に巡り合った日本の人達も、その魅力に惹かれ、少し遅れて日本へも現代アートとしての万華鏡が入ってきました。今まで知っていた万華鏡とは大きく違って、しかも魅力的な作品に惹かれた人は数多く、少しずつ万華鏡作家の数も増えてきました。
カレイドスコープ・・・この言葉が示すのは、単なる千代紙に巻かれた筒のおもちゃに留まらない、驚きと感嘆の声をもたらす不思議なアート、心に癒やしをもたらす安らぎのアート、そして無限に変化する映像を提供してくれる動くアート、見る人の存在を必要とするインタラクティブなアートなのです。



mary

mary 現代の万華鏡「カレイドスコープ」
mary 世界初の万華鏡本を書いたコージー・ベーカー氏